• 鳥害対策商品

磁石・超音波・スプレーは本当に鳩よけ効果がある?

今回は、目玉・忌避剤・磁石・超音波などを用いた鳥害対策について考えてみたいと思います。

鳩よけ・カラスよけなどの鳥害対策には、大きく2種類に別れます。

  • 物理的なタイプ
    鳥の着地を防ぐための剣山、ワイヤー・ネットなどの障害物を用いたもの

  • 非物理的なタイプ
    障害物の代わりに忌避剤、磁石、超音波、目玉などを用いたもの

弊社では「物理的なタイプ」の商品を扱っておりますが、今回は後者の「非物理的なタイプ」の特徴をそれぞれ詳しく説明していきます。

目玉風船・CDを吊るす等、視覚に訴える鳥害対策製品の効果は?

風船などに目玉に似せた模様を書いたり、 キラキラと光るCD板の反射を利用して、 鳥を驚かせるタイプの鳥害対策方法です。

鳩などの鳥はこの目玉模様を嫌いますし、光の反射も怖がって近寄らなくなることもありますので、鳥害が出はじめた初期には、手軽に設置可能で効果があるようです。

ただ、視覚に訴えるタイプは、鳥が慣れてしまえば効果がなくなりますので、あくまでも一時的な効果しかありません。 そのため、必ず物理的なタイプも併用して設置する必要があります。

また、鳩は帰巣本能が強いため、既に住み着いている場所への効果は期待できません。

スプレーなどの忌避剤タイプの効果は?

鳥の嫌う薬剤を利用したタイプで、薬剤が切れるまで効果があります。形状は固形のもの・粘度のある液状のもの・スプレー可能なものまで多種存在します。

忌避剤タイプは目立たない上に、薬剤を交換しながら使えば効果を維持できるといったメリットがあります。しかし、設置後の運用期間が長くなればなるほど、ランニングコストが掛かって割高になるといったデメリットもあります。

また、鳥用の薬剤とはいえ、中にはその他の動物に対しても毒性を持つものもあるので、特に人の生活圏の近くでの使用には注意が必要です。

磁石を吊るすタイプの効果は?

鳥類は方角を認知するために磁場を感じることができるとされており、磁場を乱して鳥を惑わせる、という考え方の忌避方法です。

磁石タイプの商品はかつては多く存在しましたが、最近では見かけることが少なくなりました。
これは、 (特に業務用においては)鳥類の磁場感覚を利用しているというだけでは説得力も乏しく、また、実際の効果がわかりにくいことが原因だと思われます。

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)において、カラスおよびスズメの磁石の忌避効果が試験されましたが、いずれも餌台への来訪回数、飼料消費量、平均滞在時間のいずれについても磁石ありとなしの差はわずかで、有意差は認められないという結果が出ています(下図)。

出典:⽇本⿃学会誌 70(2): 175-181 『カラスとスズメに対する磁⽯の忌避効果は認められない』吉⽥保志⼦・⼭⼝恭弘・佐伯緑・⽔井陽介(2021)/許諾番号:OSJ22001号

家庭用向けとしては、現在もホームセンター等で見かけることもあって手軽に使えそうなのですが、 上記試験結果からも科学的な根拠はないといえるでしょう。つまり、磁石タイプの防鳥用品を設置して被害が減ったとしても、それは単に一時的に警戒しているものと考えられます。

超音波タイプの効果は?鳥にだけ聞こえる音はある?

鳥にだけ聞こえて、人には聞こえない波長の音をスピーカーから発する忌避方法です。 この超音波タイプの商品はあまり一般には見かけることはありません。

過去には、鳥は人間には聞こえない超音波が聞こえるのでは、と考えられていましたが、鳥の聴覚に関する最近の研究では、実は人間の聴覚より劣るという発表も出ています。

農研機構『音声の利用による鳥害防除』(1992)によると、「鳥類の可聴範囲が人間より広いというのは、まったくの誤解である。」と解説されており、また「音の高さを聞き分ける能力や音の時間差を聞き分ける能力をとってみても、鳥類の能力は人間の能力より劣ることはあっても優れることはない」とあります。

嫌な音が鳥にだけ聞こえて人には聞こえないのであれば、超音波タイプは有効な忌避方法と言えますが、そうではないようです。

適材適所で最適な鳥害対策を

今回はちょっと変わった非物理的なタイプを紹介してきました。

鳥害対策に「この方法でいつでも全て解決!」といった方法はありません。 鳥の帰巣本能は強く、忍耐を要するものであり、鳥害対策はその後長期に渡る運用を考慮する必要があります。

適材適所で様々なタイプ、手法を組み合わるのが良いのですが、今回の非物理的なタイプは少し注意が必要です。忌避剤を用いたタイプは運用に注意できれば良いかもしれませんが、特にその他の方法では現代においては効果そのものが問われるものもありますので、物理的なタイプを併用されることをおすすめします。

コーユーの鳥害対策商品について

株式会社コーユーの鳥害対策製品は、一般家庭・公共建造物でも多数採用されている信頼と実績のある製品です。 効果、耐久性、施工性やメンテナンス性にこだわり、すべての製品が特許取得済または申請中です。

鳥獣保護法への配慮はもちろん、「動物を傷つけることなく寄せつけない」という相反する課題に対応した製品づくりを、常に心がけています。

この記事を書いた人

この記事を書いた人

山本 剛司

(株)コーユー代表取締役社長。1984年の創業当初から業務に携わり、鳥害に関する経験を重ねる。2008年二代目として代表取締役社長に就任。
鳥害対策市場黎明期より培ってきた業界経験と豊富な知識を基に、鳥害対策のエキスパートとしてオリジナリティある新商品の企画、開発を行う。

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