鳥ウォッチ

2019.01.18 【 鳥の被害 】
第11回 太陽光パネルの鳥害について
今回からは2回に渡って太陽光パネルの鳥害対策について説明していきたいと思います。
今回は【前編】太陽光パネルの鳥害の実態と概要を書いてみたいと思います。
近年では太陽光発電設備(ソーラーパネル/太陽光パネル)を備える住宅が普及し、総務省住宅・土地統計調査の統計によりますと2013年現在、太陽光発電設備を備える住宅戸数は157万戸あり、08年の約52万戸から約3倍に増加しています。
それに伴い近年、急増しているのが太陽光パネル周辺での鳥害問題です。
太陽光パネルも最近では各社様々な商品が発売されており中にはパネルが瓦形状になっておりそのまま屋根材として使用出来スッキリとした外観を実現できるものもあります。こういった組み込みタイプは「新築時やリフォーム時でしか導入する事が出来ない」のと、比較的高コストになってしまうといった傾向があるようです。
その点、最も普及している一般的な屋根の上に設置するタイプは低コストで高い発電効率が特長で、そのコストパフォーマンスの高さから今後も主流になると思われます。こういった屋根材の上に設置するタイプはその性質上、屋根材とパネルの間に空気の通り道を作る必要があります。そのため瓦などの屋根材から浮かせる形で「隙間」を設けて設置されているのですが、その「隙間」に鳩等の鳥が入ってトラブルを引き起こす事例が多くなってきました。
鳥によって引き起こされる問題はパネルの表側と裏側で発生します。それではそれらの問題を見ていきたいと思います。
パネルの表側で発生する問題は、
① 飛来する鳥から落下する糞など(営巣の為の木の枝などもあります)でパネルが汚れてしまうことによる発電効率の低下や建物への直接的な糞被害。
② 鳥の飛来が増えることによる鳴き声等の騒音等。以上2点があります。
パネルの裏側で発生する問題としては
③ 雨風をしのげるため鳥が営巣し、糞の堆積により衛生環境が悪化。
※鳩の糞には人体に有害な成分が含まれています。
④ 鳥がパネルの配線ケーブルを突いたり破いたりすることで引き起こされる機器の故障。などが挙げられます。
特に③のように巣や糞の堆積により雨水がうまく流れなくなると衛生面だけでなく雨漏りの原因になるなど深刻な問題に繋がってしまうこともあります。またこういったトラブルが屋根の上という日常では目に触れることの無いところで発生、進行してしまう事から気がつくのに時間がかかってしまい、比較的被害が大きくなってからの対処になってしまうといった傾向にあるように思えます。
次回は弊社のバードブロッカー(特許申請中)による具体的な対策方法についてお伝えします。