• 鳥害について

鳥害は予測できる?鳥が好む条件をチェック

鳥害に遭うのは「偶然」か「必然」か?

鳥害に遭われた方は「運が悪い」「なぜ自分の家なのか」と思うのではないでしょうか?
(ここでいう鳥害とは建物に住みつかれたとかいうことであって、肩に糞を落とされたとかではありません。頭や肩に糞を落とされるのは本当に運が悪かったのでしょう…)。

しかし、鳥害に関してはある程度予測できるのではないかと考えています。それも高い確率で
とはいえ、最終的に被害に「遭うのか」「遭わないのか」と問われれば、それは自動車事故のようなもので「わからない」と答えるしかありません。車に乗れば事故の確率は0でないのと同じように、そこに建物があれば鳥害に遭う確率は0ではないと言えます。
ただ、自動車事故も運転に注意を払うことなどによってその確率を減らせるのと同じように、鳥害も抑えておくべきポイントをクリアしていけば、被害に遭う確率は確実に減るものといえるでしょう

鳥が好む条件とは

例えば、都会の公園や、緑地付近のマンション、郊外にある田畑の近くの戸建て住宅は鳥害が多いですし、みなさんもご承知の通り都会の複雑な建築物も鳥たちは大好きで、防鳥ネットなどの鳥害対策が採られていることが多いです。また、穀物を保存する施設などにはスズメや鳩といった鳥が近づいて来ます。

都会、郊外、緑地、餌場、建造物の複雑さなど様々な要素が絡みあって実態がわかりにくいのですが、こういった難しいことを考えなくとも、そこで鳥を見かけたら確実に「いる」のです。つまり、それらの鳥に「あそこは居心地が良さそうだ」と目をつけられなければよいのです。

鳥の好むところはおおよそパターンがあります。
それは、住処の場合は雨風しのげる屋根になる物(太陽光パネル下もこれに該当します)があったり、エアコン等の室外機付近であったりします。休憩の場合には、天敵から身を守りやすい見晴らしの良い所を好むようです。都会のマンション等は両方の要素を満たしていますので、鳩などにとっては非常に良い物件であり、注意が必要な場所といえます。

鳥の引越し先を予測する

上述したような鳥たちが好む場所で鳥害対策が行われた場合、行き場を失った鳥たちはどうするでしょうか?

まずは対策された場所にどうにかして戻れないかアタックを繰り返し、戻れないということがわかると「隣」や「向かい」などの近場に移動して行くことが多いように思います。

例えば、マンションの一室で対策をされたら「その隣の部屋」や上下階へ。隣のマンションで対策されたら「その隣の建築物」や「向かいの建築物」といったように、対策をされても鳥たちが消滅する訳ではないので、近場で次なる住処を探していくようです。こうして鳥害対策を施された建物が増えると、「隣の街」に移って行くと思われます。

鳥害対策は近隣の建物と立地条件などトータルに考える

よくマンションのベランダで住戸ごとに防鳥ネットが張られているのを見かけることがあります。残念なことに鳥が来てしまった住戸の方々で、個別に対応されているのでしょう。

先述しましたように、鳥は「隣」や「上下階」に移動していきますので、いずれ多くのベランダに防鳥ネットが張られるでしょう。その結果、そのマンションのベランダでは「色が違って網目の大きさも異なる」沢山のネットが張られることになり、美観の低下に繋がります。こうして行われる個別の工事は効率も良くないでしょうし、安くもないと思います。

一方、マンション全体で一気に工事するというのはいろいろな制約があるでしょうし、時間もかかります。ですが、一気に工事を行う効率の良さから割安になるでしょうし、さらに一定の美観を守れるというメリットもあるでしょう。

一番のおすすめは、鳥害の兆候が見え始めた時点でプロに見てもらうことです。というのは、その建物での防鳥対策があるレベルに達した時点で「隣」より別の建物に行く可能性もあるからです。要は鳥害対策は被害にあっている建物だけではなく、近隣の建物や立地条件等をトータルに考える必要があります。

なぜ最初から鳥害を考慮した設計をしないのか?

鳥害対策をやっていますと、なぜ「最初から鳥が来ないように建造物の設計をしないのか?」と不思議に思ったことがありました。鳥が好きな場所や形状、それらへの対策はある程度パターン化可能で、予測が可能なはずだからです。

私がこの疑問を持つようになったのは20年ほど前ですが、最近、一部の公共の建築物で変わってきたかなと思えるところが出てきました。それは橋梁をはじめとする鉄骨で作られた高架等の下側です。従来はH鋼がむき出しで鳥の格好の居場所だったので、よく防鳥ネットが張られていたのですが、最近その部分がカバーされているものを見かけることが増えてきたように思います。

一方、マンションやビル、その他の建造物では今もなお対策が講じられているようには見受けられません。これは被害が出てから対策した方が効率的ということか、あるいはそもそも鳥害を考えていないのかもしれません。

鳥害はなくならない

この世に鳥がいて共存していかなければならない以上、鳥害は無くならないと思います。しかし、上述のようにそのポイントを抑えれば、少なくとも鳥害に遭う確率を減らすことは可能だと思います。

人と同じく鳥も快適な場所を好みます。みなさんの家が鳥にとって、その付近において快適な物件でなくなれば、必ずや快適な別の物件を探して去って行くはずです。鳥の好みそうな場所や条件をいくつかご紹介しましたが、それらを参考にしながらご自宅や付近の建物を見ていただければと思います。

この記事を書いた人

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山本 剛司

(株)コーユー代表取締役社長。1984年の創業当初から業務に携わり、鳥害に関する経験を重ねる。2008年二代目として代表取締役社長に就任。
鳥害対策市場黎明期より培ってきた業界経験と豊富な知識を基に、鳥害対策のエキスパートとしてオリジナリティある新商品の企画、開発を行う。

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