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太陽光パネル防鳥工事の費用と業者選び ─失敗しないための基礎知識

太陽光パネルの防鳥工事では、高度な専門性と確かな技術力が求められます。その理由は、防鳥対策には専門知識が必要なだけでなく、使用する資材の品質や施工技術の水準が、防鳥効果を大きく左右するためです。

特に、防鳥資材は紫外線や風雨にさらされる過酷な環境下でも、長期にわたって機能する専用設計が必要です。専用資材を適切に施工することで、最大限の防鳥効果を発揮できます。一般的な認識以上に、防鳥工事には厳格な基準が求められます。特に太陽光パネルの防鳥対策は、資材と施工の両面で高い品質が必要な分野といえるでしょう

第1章 なぜ「太陽パネルの防鳥」は要求水準が高くなるのか

1.太陽光パネル防鳥工事に求められる2つの品質


太陽光パネル防鳥工事では、防鳥の効果と耐久性を左右する品質基準が存在します。いずれかの品質が基準を下回れば、防鳥性能の低下や早期破損が生じ、再工事のリスクが高まります。ここでは、品質を「防鳥製品の品質」と「施工技術の品質」の2つに分け、それぞれについて詳しく解説します。

1-1. 防鳥製品の品質

まず一般的な防鳥製品の品質基準として、正しく防鳥効果を発揮できる製品であることが最低条件です。鳥に簡単に破壊されたり、鳥が怪我をするなど害がある設計、実際は防鳥効果がない製品は問題外です。メーカーが正しく正確な防鳥の知識を持ち、ターゲットの鳥や現場に対して効果を発揮できることが重要です。

それに加えて、太陽光パネルの防鳥は屋根の上に設置することになります。屋根上は強烈な紫外線や風雨といった過酷な環境にさらされるため、使用する資材は、高い耐久性を備えている必要があります。資材の性能を左右するのは、単なるUV対応表示だけではなく、実際の耐久性や劣化速度を正確に把握する知識です
例えば、安価な樹脂製の洗濯バサミが紫外線で脆くなるように、樹脂製ネットや結束バンドもまた、屋根材(瓦やガルバリウム鋼板)からの反射光を含めた全方向からの紫外線浴びることで、予想以上に早く劣化します。特に、数ミリ程度の薄い樹脂製ネットや結束バンドは、紫外線により加速度的に劣化します。
これらの特性を理解し、長期的に耐久性を保てる専用資材を選ぶことが重要です。

太陽光パネルの厳しい環境に対応するためには、資材の耐久性や特性を正しく理解して設計された専用防鳥資材を使用することが不可欠です。正しい知識に基づいた資材選定は、長期的な耐久性と安定した防鳥効果を確保します

1-2. 施工業者の品質

防鳥製品の性能を最大限に引き出すためには、施工技術と防鳥に関する科学的根拠に基づいた正しい知識や情報が不可欠です
それらを有した施工業者であれば、太陽光パネルの防鳥に必要な品質を満たす専用製品を選定でき、施工技術の質も自然と高まるはずです。正しい情報に基づいた防鳥対策を行うことが、長期的な効果を確保する上で重要になります。

「防鳥専門」を謳う業者でも、未熟な施工技術や知識不足から、製品の選定ミス、施工ミスを犯すケースが散見されます。施工ミスの例として、ねじ山を潰し、固定が不十分、鳥が侵入可能な隙間を見落としたまま施工を完了する、などが挙げられます。
屋根上の工事は手直しが困難なため、はじめから標準的な正しい防鳥方法に基づいたプロの施工が求められます

この2つの品質(防鳥製品・施工業者)を満たしてはじめて、効果的な防鳥対策が実現します。

資材・技術の2要素が防鳥の持続性を左右する

2. 施工品質と費用の相関性

施工品質と費用は切っても切れない関係にあります。例えば、防鳥製品が同じでも、工事費用が安い場合は防鳥効果や耐久性の差として現れます。一定の品質基準を下回ると、本来の防鳥効果が得られず、結果として再工事が必要になるリスクが高まります。
安価な工事を選ぶと、施工品質が劣る可能性があることを十分に考慮する必要があります

防鳥の最低ラインを無視したコストカットが防鳥性能・耐久性の低下を招く

専門性の高い分野では、品質を確保するために適正な費用設定が欠かせません。
例えば、詳細な現場調査に基づく見積もりは、一見高額に思えるかもしれませんが、長期的に見れば最も効果的な投資となることが多いのです

特に、太陽光パネルの防鳥工事のように高い専門性が求められる分野では、正確な情報に基づいた適切な施工が重要となります。これにより、将来のトラブルを回避し、再工事のリスクを最小限に抑えることができます。

事例から学ぶ

弊社での実例として、ある太陽光パネルの防鳥工事を紹介します。

業者Aは現場を丁寧に確認し、弊社と情報を共有した上で適切な資材の見積もりを作成しました。一方、業者Bは現場情報を提供せず、注文した資材の数量もAより明らかに少ないものでした。

施主様は業者Aの見積もりを高いと判断し、安価な業者Bを選んだ可能性があります。しかし、業者Bは現場視察が不十分で、コストを抑えるために資材を削減した結果、防鳥工事の品質が低下するリスクが生じました。

この事例は、適切な現場確認と情報共有が、防鳥工事の品質に直結することを示しています。価格だけで業者を選ぶリスクを理解し、確実な防鳥対策を行うことが重要です。

この事例では、綿密な現場調査を行った結果、見積もりが適正価格となりました。一見高額に見えても、防鳥効果を最大限に発揮するためには必要な投資だったと考えられます。弊社も、業者から提供された正確な現場情報をもとに、適切な部材を選定し、防鳥対策に最適な提案を行っています。

ただし、高額だからといって、必ずしも良いとは限りません。悪質な業者に当たると、手抜き工事にもかかわらず高額な費用を請求されるケースもあります。業者選定については、次章で詳しく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

3. コーユーの対策 現場を支える「現場サポートサービス」と「防鳥ガイドライン」

防鳥の中でも最高水準が要求される太陽光パネルの防鳥品質をより高め、安定させるため、コーユーではバードブロッカーの「現場サポートサービス」を提供しています。
本サービスでは、全国から集まる太陽光パネルの防鳥情報を一元管理し、工学的知見に基づいてお客様ごとに最適なご提案を行っています。また、『太陽光パネルの防鳥ガイドライン』をご確認いただくことで、事前に必要な知識を共有でき、現場ごとの注意点が明確になります。その結果、防鳥対策の最低基準を満たした工事の実施につながります。

コーユーの先進的な防鳥対策は、長年の実績と科学的知見に基づき、体系化されています。全国の防鳥データを科学的に分析・検証し、体系的に一元管理しています。
この管理体制のもとで開発されたのが 「バードブロッカー」 です。多くのお客様が、この実績とデータに裏付けられた弊社製品による施工を選択されています。また、各現場の状況に応じたカスタマイズ提案により、工事担当者様と施主様に安心と信頼をお届けしています。

第2章 失敗しない防鳥工事に向けて~信頼できる業者の選び方

防鳥工事の業者選びが難しいのは、業者ごとに費用・施工技術・品質・使用資材が異なるためです。つまり、条件の異なるものを無理に比較しようとしているため、選定が難しく感じられるのです。
防鳥工事を成功させるためには、施主様自身も主体的に関わることが大切です。業者の選定の際、気になることは納得いくまで質問し、資材や施工方法を十分に吟味してから発注することをおすすめします。本章では、業者選定のポイントと工事費用の適切な比較方法について解説します。

業者選定のポイント

① 施工事例の確認

信頼できる業者は、実績や施工写真を公開し、施主の不安に寄り添います。事例を提示しない業者は、何らかの問題を抱えている可能性があり、施工後のトラブル対応も不十分になるかもしれません。また、施工前の対応が良い業者ほど、施工後の対応も信頼できる傾向にあります。

② 施工品質の確認

高品質な施工と高性能な防鳥資材の組み合わせが最良の結果をもたらします。低品質な施工では、どんな優れた資材も効果を発揮できません。施工事例から「施工の美しさ」に注目しましょう。丁寧な工事は、無駄がなく仕上がりも美しくなります。また、どのような資材を使用し、どのように施工するのか、事前に確認しておくことが重要です。

③ 現場確認の姿勢

現場視察への取り組み方は、業者の施工品質を見極める重要なポイントです。施工現場を丁寧に確認し、慎重に計画を立てる業者は高品質な工事を提供する傾向があります。一方、特別な理由もなく現場視察を省略する業者は、工事品質が低くなりがちです。

④ 違和感を覚えないか

施工業者との打ち合わせの際に、釈然としない点や違和感があれば、一度立ち止まって再検討することをおすすめします。ここで解説している標準的な正しい防鳥方法に基づかない資材や工法に強くこだわる等の違和感も、重要な判断材料です。

⑤ 真摯に向き合ってくれるか

本コラムで解説している内容は、防鳥専業メーカーの長年の実績と科学的知見に基づいています。この情報を活用し、業者との打ち合わせで確認すれば、専門性の高い業者であれば共感し、納得のいく説明をしてくれるはずです。

信頼できる業者の特徴

弊社の経験上、真摯に工事に向き合う業者ほど、自らの技術や知識を過信せず、弊社等の専門メーカーに客観的なアドバイスを求める傾向があります。現場からの情報が豊富であれば、弊社も的確なアドバイスやフィードバックを提供でき、それによって施工品質の向上につながります。
また、施主様からの要望も丁寧にヒアリングされるため、後々、業者都合の施工内容に後悔するリスクを大きく減らすことができます。

一方で、太陽光パネルの防鳥工事における基本的な注意点すら意識できていない業者も少なくありません。異なる視点からのチェックを行うことは、ミスの未然防止だけでなく、工事全体の品質向上にも寄与します。

慎重な姿勢で工事に取り組む業者ほど信頼でき、最終的な施工品質も高くなる傾向があります。

施主様が選ぶべき防鳥の成功ルート

まとめ

近年、防鳥工事では価格競争の影響で、最低限の品質基準を下回る工事や、専門知識が不十分なまま行われる工事が増えています。特に太陽光パネルの防鳥工事は特殊な分野であり、失敗すると深刻な影響を及ぼします。
不適切な施工は、効果が得られず、再工事が必要になり、施主様に大きな負担を強いることになります。適正な品質と価格のバランスを見極めることこそが、成功の鍵です。

本コラムは40年にわたる防鳥対策の知見に基づいて作成しています。ぜひ、太陽光パネルの防鳥に失敗しないための参考としてご活用ください。

この記事を書いた人

この記事を書いた人

山本 剛司

(株)コーユー代表取締役社長。1984年の創業当初から業務に携わり、鳥害に関する経験を重ねる。2008年二代目として代表取締役社長に就任。
鳥害対策市場黎明期より培ってきた業界経験と豊富な知識を基に、鳥害対策のエキスパートとしてオリジナリティある新商品の企画、開発を行う。

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