4ベランダの対策方法

解説

鳥害の現場は「どこからでも飛来できるオープンな場所」と「特定の開口部から侵入してくる閉鎖的な場所」など、その環境に応じて対策方法が異なります。

マンションのベランダは正に後者の「特定の開口部から侵入してくる閉鎖的な場所」の代表例です。こういった現場では防鳥ネットで開口部を一気に塞いで鳥たちの侵入を防ぐといった方法が使えるのですが、消防法や美観の観点などからマンションによっては禁止されている所も多くあります。

防鳥ネットを使用しない場合は、被害があるポイントごとの対策をしていく形になります。

まず、室外機の上や庇の上など、ある程度奥行きがある場所の場合は剣山式鳥よけの敷き詰めが効果的です。針の長さは長いほど効果が高くなります(詳しくは次回解説いたします)。剣山式は適切な設置を行えば高い効果が得られますが、美観を損なうというデメリットがあります。

次に手すりです。細い手すりにはワイヤー式が適しています。目立たず美観を損なう事がありません。また、ワイヤーを張っている状態でも手すりを掴むことが可能です。ただし、剣山式に比べて効果が一歩劣る事と、施工に手間がかかる点がデメリットとしてあげられます。

尚、幅が広い手すりの場合は、すでに鳥害がある場所だとワイヤーを一本張ったところで効果が得られない事が多々あります。幅が広い手すりの場合は、やはり剣山式敷き詰めの対策がおすすめ方法になります。

美観も大切ですが、鳥害対策の場合は、まずは効果を得ることを最優先に検討していただきたいと思います。いずれ完全に来なくなったときに、美観を優先した対策に切り替えれば良いのです。